聴きどころ

絶望の先に見えた希望こそ、魂のたいまつのように熱く輝く-　人間の魂がもつ、崇高なまでの強さを、オーケストラが深く響かせる選曲です。練達の名匠・尾高忠明がメインに据えたのは、ベートーヴェンの〈交響曲第2番〉。翔び立たんばかりの生気に満ちた明るい傑作です。実は作曲家の耳の病気が深刻さを増していた頃の作品ながら、闇を微塵もみせない曲調は、深淵を見た人こその強さでしょうか。併せて、本作と同時に初演された〈ピアノ協奏曲第3番〉も。ハ短調の瞑い情熱が美しくほとばしる傑作で、敬愛を集める巨匠ヴィルサラーゼが〈円熟の先にひらく境地〉を味わい尽くします。さらにオネゲルが大戦下に書いた〈交響曲第2番〉も。弦楽合奏が刻む陰鬱の果て、救いの光のように射すトランペットの響き…卓抜な選曲に織り込まれた〈魂〉の諸相を体感してください。

出演

©Martin Richardson

指揮/ 尾高忠明
Tadaaki OTAKA

ピアノ/ エリソ・ヴィルサラーゼ *
Elisso VIRSALADZE *

プログラム

• オネゲル：交響曲第2番
• ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op. 37 *
• ベートーヴェン：交響曲第2番 ニ長調 Op. 36

• Arthur Honegger / Symphony No. 2
• Ludwig van Beethoven / Piano Concerto No.3 in C Minor, Op. 37 *
• Ludwig van Beethoven / Symphony No. 2 in D Major, Op. 36

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